こんにちは!お受験アンテナ編集部です。
さて、今回の記事では、住宅地の中にある自然豊かな幼稚園「森村学園幼稚園」をとりあげてみたいと思います。
森村学園幼稚園とは?
横浜市緑区長津田町にある「森村学園幼稚園」は田園都市線つくしの駅から徒歩5分ほど。周りは落ち着いた高級住宅街です。
創立者は、幕末から明治・大正期にかけて日本の経済界を支えてきた実業家、森村市左衛門。今日にあっても、その功績はノリタケ、日本ガイシ、TOTOなど、さまざまな分野にわたる「森村グループ」諸企業の発展として生き続けています。
また市左衛門は、次代を担う人材育成にも深く関心を持ち、慶應、早稲田などの諸大学や北里研究所などの研究機関に積極的な後援活動を実施。1901年の日本女子大学校(現日本女子大学)設立にも大きく貢献しました。そして晩年を迎えた1910年、「花をつくるより人をつくろう」との決意のもと、東京芝高輪の自宅の庭に自らが理想とする幼稚園と小学校を新設したのです。これが森村学園の始まりです。
創立以来変わることがない建学の理念は、「正直・親切・勤勉」。
これら三つのことばは、創立者森村市左衛門先生が、実業家として一所懸命働くことを通じて人づくりの大切さを痛感し、その中で「厳格な生活態度を備えた、社会に役立つ人」に必要なことを示したものです。いずれも平凡な言葉ながら、深さ・広さ・厳しさをもっていますね。
森村学園は、幼稚園から高等学校までの男女共学の一貫校です。大学受験の実績もかなり高く、いわゆるMARCH以上の大学に進学する割合が高く、学校側もかなり力を入れているようです。
そのスタート地点である森村学園幼稚園は、都内からの受験者もとても多いのです。
森村学園は、なんといっても伝統があり、品の良い学園というイメージがあります。
田園都市線のイメージもよく、都内から通うと電車が下りなこともポイントですね。
そして、幼稚園の先生方がベテランであり、幼稚園説明会にいって、その環境に惚れ込んで受験を決めた方も多く聞きます。
ちなみに、かの世界のクロサワこと黒澤明監督も、森村学園幼稚園のご出身。
「塀の中の懲りない面々」の安部譲二さん、世界的なインテリアデザイナーのイサムノグチさんもかつてこの幼稚園に通園していました。歌手のMayJさんは幼稚園から中等部まで、一青窈さんは、初等部から高等部まで(彼女は大学は慶應でしたね)でした。この様子ですと、森村学園にお子さんを通わせている芸能人の方も多いようですね。
決してアクセスが便利というわけではないが、体操教室、水泳教室など課外授業も業者委託で行われているなど、それを越える魅力が、森村学園にはある!ということですね。
では、森村学園幼稚園の特徴について、いつものようにお受験アンテナの視点で考えてみたいと思います。
1. 言葉の力をつけてくれる
森村学園幼稚園のホームページを見ると、「『読み書きそろばん』のいわゆるお勉強は一切やりません!」と園長自ら明言しています。一見、昨今のお受験時代に逆行する挑戦的な発言ですが、「お勉強は小学校からで充分」というのが、高等学校までの一貫教育を基本とする森村学園という考え方なのです。
幼稚園では座学のお勉強は一切しないとを堂々と表明するのは、実は、幼稚園がその教育に自信をもっているから。
お勉強はさせないけれど、その変わり底力をつけさせるために大切にしていることは「発信力」です。
発信力とは、いろいろな体験や気持ちを言葉で表現すること。これは考えてみれば、かなり高度なことですね。
例えば、けんかをして泣いている子どもを落ち着かせて、なぜ泣いてしまったのか、そのわけをじっくり聴く。泣くのをやめて話す。先生はゆっくり聞きながら、言葉だったからこそ理解できたよ、というメッセージを送ります。この繰り返しで、子どもたちは、発信力を身につけているんですね。
それは、子どもたちにとって、知識よりも得難い一生の財産かもしれません。
2. 理科系に強くなる
森村学園幼稚園の教育の柱は、豊かな自然環境の中で、みんなといっしょに楽しく遊ぶこと。
恵まれた自然環境の中に身をおくと、そこにはたくさんの気付きがあります。「ダンゴ虫のオスとメスはどこが違うの?」「どうすればこの崖を登れるだろう?」自然の中に身をおくからこその“気づき”から、やがて知識というきれいな花が咲き実を結びます。
子どもたちの疑問に必ず答え、子どもたちの気づきをキャッチしてうまくフィードバックしていく。これは、本当のベテランの先生にしかできない芸当です。
その結果、子どもたちはいつの間にか身の回りのいろいろな不思議に気づいて、それを解き明かすという理系の論理を身につけていきます。いつの間にか理系の頭を作ってくれる幼稚園だと言えるでしょう。
3. どこで出るか、それが問題だ!!
幼稚園から高等学校まで一貫校である森村学園。
その中で、幼稚園、小学校で一定数のお子さんは出ていってしまいます。
理由はもちろん、他校の受験。
都内の幼稚園を第一志望にしていたのにご縁がなかった方は、最初から3年間だけつくし野に通いながらお受験対策をします。
森村学園の初等部も「中学受験はせずにいわゆるのびのびとした『森村っ子』を育てる」としており、あまり厳しいお勉強はさせていないようです。
それでも、毎日宿題はあるし、ある程度の厳しさはある。それが中高に行くと、あまりにもゆるくてびっくりするという口コミも多数あります。
だから「中学受験ありき」で入園し、小学校までは森村に通って中学受験をすると考えている家庭も一定数あるでしょう。
幼稚園も「お勉強はさせません」、初等部も「中学受験用の授業はしません」と説明会でも言われますし、ことあるごとに明言しています。
つまり、受験を決めている家庭は、各自でお受験塾に通うことになるのです。
幼稚園から入ったとしても、いつ森村学園を出るのか、それとも出ないで上までいくのか。ママたちの間では、いつもそれが話題になるようです。
幼稚園から入園したとして、どこで出るか、それが問題なのです。
それを決めると、園生活が大きく変わってくるということですね。
ちなみに、小学校の授業は公立よりは熱心という程度で、中高にいたっては、ゆるすぎて「もう少し厳しくしてほしい」と親から苦情が出るほどだそうですが、森村で東大を狙えるような賢い優等生はたいてい森村の幼稚園出身者、内部生なんだそうです。
やはり良い遺伝子を受けついた子どもは、どんな環境でも実力を発揮するのかもしれません。
おわりに
いかがでしたか?
今回は、「森村学園幼稚園」についてご紹介いたしました。
かつて、「金妻」で世を風靡したおしゃれなイメージのある田園都市線に位置し、創立者が財閥であり、お嬢様、お坊ちゃまを預かってくれる森村学園幼稚園。
たまプラのおしゃれなレストランでちょっとお高いいランチをしているママたちは、森村率が高いと言われています。
3年間の幼稚園生活を子どもと一緒に楽しむ。それが実行できるのが、森村なのかもしれませんね。