こんにちは!お受験アンテナ編集部です。
今回は、伝統がありながら、新興勢力と位置付けられる名門幼稚園「桐蔭学園幼稚部」をご紹介いたします。
桐蔭学園出身の有名人はたくさんいらっしゃいます。
サッカーの中村俊輔さんや、水嶋ヒロさん、アナウンサーの鈴木奈々さん、中村仁美さん、高橋由伸さん、椿鬼奴さん、西川史子さん、織田裕二さん、デーモン閣下さんなどなど。
桐蔭学園は、2019年4月から、神戸大学出身で京都大学の教授も務めた溝上慎一さんが理事長に就任しました。
溝上さんは就任にあたり、「桐蔭学園は中学高校/中等教育学校がフラッグシップの学園です。単なる進学校ではなく、大学以降も力強く学び、仕事をし、社会生活を営む生徒を育てる学園を目指します」と語っています。
そして今後の人材育成について「中学高校/中等教育学校の手前にあたる幼稚部・小学部、後にあたる大学(桐蔭横浜大学)を、桐蔭学園の教育組織としてしっかりと位置づけ、学園理念である『自ら考え 判断し 行動できる』園児・児童・生徒・学生を育てていきます」とも語っています。
つまり新理事長になって、幼稚部の重要性がますます認識されたことがわかります。そして、桐蔭学園全体の中での幼稚部、小学部の位置づけがしだいに高くなってきたことも感じられますね。
桐蔭学園幼稚部とは?
桐蔭学園幼稚部を語るには、まず桐蔭学園のことを知る必要があります。
桐蔭学園は、1964年4月、横浜の北部、緑深い丘陵地帯の一角に誕生しました。
「私学にしかできない、私学だからできる教育の実践」を掲げ、「真のエリートの育成」を目指した、ゼロからのスタートだったといいます。
桐蔭学園の校章は、五三の桐(ごさんのきり)。歴代理事長の母校、旧制東京高等師範学校(現・筑波大学)の校章にちなんでいるそうです。
緑の高台に陽光を浴びて白亜の校舎が点在し、その間に広がる広大なグラウンドは、まさに桐樹の蔭。
学校創立以来、校章に込められた想いである「力」は年ごとに飛躍しており、鵬(おおとり)のひなは、この桐の蔭から次々と飛び立ってるとホームページに記載されています。
最初に高等学校、そして工業高等専門学校、中学校、小学部が設置された桐蔭学園。幼稚部が設立されたのは、1969年のことでした。2019年には幼稚園設立50周年を迎えました。
では、そんな桐蔭学園幼稚部の特徴について、お受験アンテナ独自の視点で考えてみたいと思います。
1.アフタープログラムが充実している。
桐蔭学園幼稚部には、園庭とつながる丘の上に「ワクワクランド」という遊び場があり、ロッククライミング、アスレチック、ローラー滑り台など山の斜面を利用してさまざまな遊びができるように工夫されてます。
ときには桐蔭学園の大学生が遊びに付き合ってくれることもあるということです。
充実した園生活を送る園児ですが。保育時間は午前9時半から午後2時10分まで。ほかの幼稚園に比べると長い保育時間といえますね。
しかし、ここからが桐蔭学園幼稚部の真骨頂。なんと桐蔭学園では、アフタースクールを外部の事業者に委託しているのです。これはかなり珍しいことだと言えるでしょう。
外部委託されているのは、NPO法人の「放課後NPOアフタースクール」という団体。
アフタースクールの場所はそのまま園舎ですが、外部委託のため、保育料は少し高めです。とはいえ、プログラムは大変充実していて、そのまま習い事もできるのですから、保護者の方には大変喜ばれています。
2. 付属小学校との関係が深い
一貫校である桐蔭学園では、幼稚部の子どもたちはほぼ全員が小学部に進学します。
実は桐蔭学園幼稚部の部長である澤本敦さんは、桐蔭学園小学部の部長を兼任しています。つまり、幼稚園、小学校がほぼ一体化しているのが、桐蔭学園なんですね。
幼小合同での運動会やクリスマス集会、誕生会などの行事はもちろん、給食の配膳や、食が細い子への励まし、給食後に一緒に遊ぶなど、小学部のおにいさん・おねえさんたちが幼稚園に毎日来てくれます。
幼稚部の子どもも、小学部の児童も、どちらもこの昼の時間を、とても楽しみにしているようです。
小学部と幼稚部は、給食のメニューがほぼ同じだということで、幼稚部のうちから栄養バランスのとれた給食で育つ子どもたちは、小学部に進学しても、親しんできたメニューのため、引き続き安心して給食を迎えることができます。
そして、幼稚園の生徒は小学生のおにいさんおねえさんと触れる機会が多いことで、より具体的なロールモデルを捉えることが出来て「早く小学生になりたい!」というモチベ―ションにつなげることができます。
また、週に一度、英語と体操の授業があり、小学部から専任の先生が来て教えてくれます。幼稚園のときから楽しみながら学ぶことを覚えるのは、早期教育の賜物だといえると思います。
3. アクセスの悪い場所にある
桐蔭学園幼稚部の所在地は、横浜市青葉区鉄町1614。
最寄り駅が田園都市線のあざみ野駅、市が尾駅、青葉台駅、小田急線の柿生駅かですが、いずれもバスで15分くらいかかります。
この不便さが、かえって子どもたちを喜ばせています。
その秘密は、幼稚部の通園バス。
徒歩通園の子以外は、マイクロバスではなく大型バスに乗って、毎日通園します。小学部生も同じバスに乗るのですが、子どもたちは、このバスが大好き!
もちろん、全てのお子さんにシートベルトをつけさせるという配慮は万全です。
アクセスが悪い分、環境は豊か。一日一度は必ずアスレチックゾーンに行ったり、山の上に新設された、自然豊かな「わくわくランド」に行ったりして、思う存分遊ぶ時間をとっているようです。
おわりに
いかがでしたか?
今回は、名門幼稚園「桐蔭学園幼稚部」についてご紹介いたしました。
桐蔭学園は大学まで設置してはいますが、桐蔭学園高校は、東大生も輩出するほど大学受験には力を入れている受験校です。
18歳で力を発揮できるかどうかは、幼稚園、小学校のころに存分に身体を使って遊んだか、ストレスをためていないか、などが関係してきます。
桐蔭学園幼稚部の出身者たちは、とても充実した幼稚園生活を過ごしていますから、のびのびと思春期を迎え、のびのびと大学受験にチャレンジして、成果をあげていることがわかります。
長い間、4歳児から募集する2年保育を貫いてきた桐蔭学園が3年保育に踏み切ったのは、2016年。
このかじ取りで、ますます幼稚園教育に力を入れているのですから、親としてはかなり注目したい幼稚園だといえるでしょう。