こんにちは!お受験アンテナ編集部です。
今回の記事では、カトリック幼稚園の代表ともいうべき「麻布みこころ幼稚園」を取り上げ、どんなお子さんを求めているかを考えてみたいと思います。
麻布みこころ幼稚園とは?
慶應義塾幼稚舎や青山学院小学校など、名門小学校に必ず卒園生を送りだしている麻布みこころ幼稚園は、小学校受験の実績を積んでいる代表的な幼稚園である「枝光会附属幼稚園」「枝光学園幼稚園」「枝光会駒場幼稚園」と並ぶ枝光会グループの幼稚園として知られています。
ゆり組、枝組、光組という名前にも当時の歴史が表れていますね。
開園したのは1949年。
経営はカトリック東京大司教区なのですが、保育の受託を受けているのが麻布みこころ幼稚園ということですね。
カトリック東京大司教区というのは、カトリック司教が教会行政上の裁治権を行使する区域を指して『司教区』というのですが、その中で、東京都と千葉県を管轄区域とする司教区を指しています。
2019年時点は、東京大司教区は4つの属人小教区を含めた合計79の小教区によって編成されており、日本人の信者数は9万6000人にのぼっています。
その司教区が運営している幼稚園が、麻布みこころ幼稚園となります。
港区西麻布という憧れの地区にたたずむ麻布みこころ幼稚園は、園舎が新しくなり、以前よりも開放感のある人工芝の園庭で、園児たちが元気よく駆け回って遊んでいます。
開園当時からの砂場の藤棚や、鯉が泳ぐ池はずっと残されているということです。
また、麻布みこころ幼稚園ではいろいろな行事を中心とした制作や、季節を楽しむ歌など日々の生活を通してイエス様やマリア様の「みこころ」にならって、きれいな心や優しい心、強い心の持ち主になるようにと心がけて保育しています。
また、卒業生が父兄として再び門をくぐっていることの多いことも特徴のひとつで、まさに歴史と伝統に支えられた幼稚園なんですね。
では、その麻布みこころ幼稚園がなぜ、幼稚舎や青学、学習院、洗足学園といった名門小学校に進学できる数多くの子どもを育てているのか、お受験アンテナならではの視点で考えてみましょう。
1. 母親に対して子どもとのかかわりを求めている
麻布みこころ幼稚園では、カトリックの精神に基づき、他人をも愛する事の出来る心を養い、自立心や正しい躾を身につけさせたいと考えているそうです。
そのために、常に家庭、特に母親との連絡を密にして、時代に適した保育を心がけているとホームページでも宣言しています。
あえて、「ちょっと過保護かもしれないママと先生たちは、元気で甘えん坊の子供たちと、心の通い合った温かさを大切に毎日をより良いものにと願っています」と記載するほど、ママたちにいい意味での『過保護』を求めているんですね。
近年の家庭は、SNSの発達による情報化により、自分たちに都合の良い意見を取り入れて子育てを乗り切るという事例が多くなっています。
その中の、都合の良い理論のひとつが、子どもの自立を求めるために子どもの意見を尊重する、というものです。
3歳児に向かって、「スイミングに行きたい?」「テニスを習いたい?」「ゴルフを始めてみたい?」「体操は好き?」「バイオリンを習いたい?」という選択肢を与えて答えさせ、『親の私が決めたのではなく、子どもが自ら選んだ』ということにして、いやになったらすぐにやめさせてしまう、という親御さんたち。
実は、自分たちが子どものためにじっくり考えて選択すべきなのに、考えるのを放棄して子どものせいにしていることに、ほかなりません。
麻布みこころ幼稚園では、あえて親が過保護になることを奨励し、子どものことは親である自分がちゃんと引き受ける、というスタンスを求めているのです。
2. 自然体のお受験体制を求めている
麻布みこころ幼稚園は、結果として超名門小学校への進学実績を積み上げているのですが、幼稚園の保育内容としては『健康、人間関係、環境、言語、表現、宗教教育』を標榜しています。
健康で、人間関係が良好で、環境問題に配慮し、自分の気持ちをきちんと言葉で表現できるようなお子さん。
これこそ、名門小学校が求めているお子さんなんですね。
それは、一朝一夕のテクニックで身につくものではありません。
そういった躾を受けたご両親のもとで丁寧に、つまりある程度加保護に育った子どもが、いつの間にか身に着けていることなんですよね。
麻布みこころ幼稚園は、家庭にそのような躾を求め、そして幼稚園でもそのような保育を心がけ、結果として幼稚舎を始めとする名門小学校が求めている人材を育てているといえます。
3. 関係者を大切にする
枝光会グループの一員である麻布みこころ幼稚園ですが、園児の募集に関しては謎に包まれています。
試験内容も試験結果も公表していないのです。
まず、幼稚園の説明会はありません。
6月中の火曜日・木曜日に園庭見学があり、事前に予約して見学します。
ただし、雨天の場合は『順延』ではなく『中止』です。
そして、運動会を見学できるのは、入園希望者のみ。
これらはすべて、徹底した『関係者を大切にする』という考えがもとになっているからかもしれません。
関係者を大切にするというのは、身内びいきのように聞こえてしまいますが、悪いことばかりとは限りません。
紹介者のいる家庭を優先させることから、園の方針に従う家庭が多くなることで、余計なトラブルを避けることになります。
また、受験のための「にわかクリスチャン」を排除したいという気持ちもあると思います。
お母様たちの価値観がある程度揃っていることで、在園者の居心地がよくなることは間違いないでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
今回は、毎年名門小学校へ数多くの卒業生を送り出している「麻布みこころ幼稚園」についてご紹介いたしました。
園長である大熊裕紀先生のお人柄、先生方の独特なニュートラル感、教会が隣接していることによる利便性、そして、ドライブスルーの採用、かわいいチェックの制服など、人気の理由はほかにもたくさんあります。
気になった方は、ぜひお受験を考えてみてくださいね。