こんにちは!お受験アンテナ編集部です。
今回は、東京都世田谷区にある私立小学校の「東京農業大学稲花小学校」と、その合格マニュアルをご紹介いたします!
そもそも東京農業大学稲花小学校とは?
東京農業大学稲花小学校とは、2019年に開校したばかりの新しい学校です。
そのため、まだ入学しても上級生は1学年しかいません。
しかしながら、2019年度の志願者に対する合格者の倍率は全国2位の12.0倍(男子13.1倍、女子10.9倍)と、慶應義塾横浜初等部に次ぐ超人気校となりました。
近年では珍しく大学附属の私立小学校、それも東京農業大学という名門大学であるためか、志願者が殺到している状況と思われます。
年中以下を対象とした学校説明会なども実施していますので、興味のある方は参加してみてくださいね。
小学校情報
所在地:〒156-0053 東京都世田谷区桜3ー33ー1
アクセス:小田急小田原線「経堂駅」より徒歩15分、東急世田谷線「上町駅」より徒歩15分
校長:夏秋 啓子
児童数:男女計72名
沿革
1891年、榎本武揚により東京農業大学の前身である「徳川育英会育英黌農業科」が創立され、1893年に独立し東京農学校が設立されました。1925年に東京農業大学、1949年に東京農業大学附属第一高等学校、2005年に中等部が開校と、時代と共に門戸を広げてきました。そして2019年に東京農業大学稲花小学校を開校しています。
教育方針
榎本武揚の「冒険は最良の師である」にちなみ、「冒険心の育成」を教育理念としています。また、理念を具体化するために、「豊かな感性」「深く考える探究心」「継続する向上心」「広く柔軟なコミュニケーション力」「困難を乗り越える体力」という、3つの心と2つの力の育成に力を入れています。
特色
教育方針を基に、カリキュラムは「興味」「創造力」「問題解決力」「習得力」「主体性」「目標設定力」「発信力」「傾聴力」「持続力」「自律力」という10の能力を指標としています。また、東京農業大学の施設・設備を活用した生き物・食・環境などの領域で多様な体験型学習を行なっています。子どもたちが主体的に関わることで考える力と学びの基礎力の向上を目指しており、1日の授業時数は最大7時間としている。
授業の特色
体験型学習の時間「稲花タイム」を設け、食と農、科学技術、日本文化、野外・宿泊、言語などの学習に取り組んでいます。また1年生から理科の授業があり、稲花タイムとの連携を図っています。身近な事象について学習内容と生活を結び付けて考える学びを重視しており、家庭科も1年生から実施しています。
ICT教育
全教室に電子黒板と短焦点プロジェクターを設置しており、児童用タブレット端末も用意し、授業や体験活動で活用しています。
英語教育
1年生から毎日1時間、自然に英語を身に付けられるカリキュラムを採用しています。ネイティブ講師が英語のみの授業を行っており、国語の時間とともに言語能力の獲得と実用的な知識の定着を目指しています。
入試データ
募集人員:前期は男女約50名、後期は男女約22名
入試説明会:2020年1月11日
学校説明会:同上
願書配付期間:5月下旬〜(ウェブ公開)
出願期間:ウェブ出願は10月1日10時〜3日12時、書類提出は10月7日までに簡易書留で郵送(必着)
提出書類:テーマ作文、出願申請確認票、受験票
受験票交付:考査料決済後に各自印刷
受験番号付番:生年月日順
月齢考慮:あり
前期考査日:11月1〜3日のうち1日
後期考査日:11月9・10日のうち1日
面接日:10月9〜29日のうち1日
選抜方法:ペーパーテスト、行動観察、親子面接
考査料:25,000円(併願の場合は45,000円)
合格発表:前期は11月5日、後期は11月12日にホームページおよび郵送で通知
倍率:約12.0倍(2019年度入学の合格者数に対する実際の受験者倍率)
入学手続:前期は11月5〜8日、後期は11月12〜15日
編入学制度:欠員が生じた場合のみ試験を実施
復学制度:なし
公開行事:なし
※最新情報はホームページをご覧ください
学費
(入学手続時納付金)
入学金:250,000円
(年間納付金)
授業料:年額600,000円
施設設備費:年額100,000円
教育充実費:年額200,000円
給食費:年額約130,000円
英語教材費:年額84,000円
学外活動積立金:年額約50,000円
寄付金1口:100,000円(3口以上、任意)
合計:年額約1,164,000円
※制服代、通学メールシステム利用料などは別途納付
※上記金額は変更となる可能性があります
昼食
給食:週5回
進学情報
中学校への進学状況:東京農業大学第一高等学校中等部へ内部進学制度を検討中
高等学校への進学状況:東京農業大学第一高等学校へ原則として内部進学(中高一貫教育)
大学への進学状況:東京農業大学へ優先入試制度あり
系列校
東京農業大学・大学院
東京情報大学・大学院
東京農業大学第一高等学校・中等部
東京農業大学第二高等学校
東京農業大学第一高等学校・附属中学校
考査ガイド
考査日程:1日
受験番号付番:生年月日順
選抜方法:考査は前期と後期に分かれており、各3日の中から希望日を申請した上で学校が1日を指定します。当日の受付後は子どもは番号札を首から下げ、約25人単位でテストを行います。
考査内容:ペーパーテスト、集団テスト、運動テスト、親子面接
所要時間:1時間30分〜2時間
ペーパーテストでは、話の記憶や数量、推理・思考、常識、言語など幅広く出題されますので、事前に問題集などを解いておきましょう。集中力や好奇心を持って取り組むことを教育方針として掲げていますので、当日の指示をしっかり聞いて行動できるように準備しましょう。また、農業大学の附属校であるため、動植物に関する常識問題も出題されますので、自然分野の知識も覚えておきましょう。
過去の出題例
ペーパーテスト
・じゃがいもやトマト、きゅうり、大根など野菜の描かれたイラストを見て、土の中で育つものを複数選択する
・図形の描かれたイラストを見て回転した際のイラストを選択する
・しりとりがつながるようにイラストを選択していく
集団テスト
・けん玉や折り紙、積み木などで、みんなで仲良く遊ぶ
運動テスト
・線の上をケンケンで進み、段差を上り平均台を渡り、マットの上で前転を2回行う、など
面接ガイド
保護者面接:考査日前の指定日時に面接が行われる
所要時間:約10分程度
出願時に提出する作文は、提示から提出までの期間が短いため、あらかじめ夫婦で時間を取る約束をしておきましょう。まだ前例が少ないため対策しづらいと感じてしまいますが、しっかりと聞かれているテーマに対して自分たちの意見を書けば、テーマ作文で落とされてしまうことはありません。面接自体は校長先生から子どもへの質問が中心に行われますので、緊張しないように準備しておきましょう。
過去の質問例
テーマ作文
A4版の用紙に1000文字程度の作文を書いて提出します。
過去のテーマは下記のような内容となっていました。
「子どもを育てるうえでの小学校の役割と家族の役割」について、「農大稲花小が求める子どもおよび保護者像」を理解のうえ、具体例を挙げながら、ご家庭の考えをお書きください
① 農大稲花小の方針に寄り添い、新しい小学校文化をともにつくっていくことができる家庭の子どもおよび保護者。
② 農大稲花小のカリキュラムに対し、前向きに取り組める子ども。それを支えられる保護者。
本人への質問
・お名前、年齢、幼稚園(保育園)の名前を教えてください
・幼稚園(保育園)では何をして遊びますか
・幼稚園(保育園)がいやになったことはありますか
・お家では、どのようなことで褒められますか
・おやすみの日はどこへ出かけますか
・今から絵本を渡します。お父さん、お母さんと一緒に見ながら自由にお話ししてください(『雑草のくらし』の中から任意のページを指定される)。
・(絵本を見ながら)この本に出てくる虫を見たことがありますか
・どのような生き物が好きですか
・小学生になったら何をしたいですか
父親への質問
・志望理由を教えてください
・本校は新設校ですが、なぜ志望されたのですか
・上級生がいないことをどのようにお考えですか
・遠方の住所ですが、通学についてはどのようにお考えですか
・子育てで一番大切にしていることは何ですか
・お子さんとどのようにかかわってきましたか
母親への質問
・小学校の役割とはどのようなことだとお考えですか
・本校に期待することは何ですか
・お子さんの良いところはどのようなところですか
・どのようなときにお子さんを褒めたり、叱ったりしますか
・学校でいじめがあった場合、どのように対応しますか
・社会性を身に着けるために、しつけで厳しくしていることはありますか
おわりに
いかがでしたか?
今回は、2019年に開校した大注目の「農業大学稲花小学校」についてご紹介しました。
新しい学校かつICT教育にも力を入れているからか、ホームページもしっかりと更新しているため、受験を考えている方は、週に1度はホームページの新着情報欄をチェックしておきましょう。
また、約12倍ととてつもなく狭き門となっているため、当日のグループ分けなど小さなことで機嫌が悪くなってしまう場合も多くあります。しかし、6歳にも満たない子どもが受験したことをまずは褒めて、「お受験はご縁」と思うことも、親として必要な素養なのかもしれませんね。
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